寄せられた公述予定情報



10月13日 安藤泰作さん


10月12日 酒井洋明さん

公  述  書

 

                「羽田新ルート絶対反対!大井町周辺住民の会」

 

          代表 酒井洋明  

 

 国土交通省の石井前大臣は、8月8日の記者会見で羽田低空飛行ルートを来年の夏ダイヤの改正に伴い、3月29日に運航を開始すると決定しました。

我々は住民の生命と安心を犠牲にするこの計画を断じて許容する事はできません! 

 そもそも石井前大臣は、今年の2月12日には、「正式な手続きは、今後地元のご了解が得られた後に進め、決定してまいります。」と発言し、「地元の了解」を明瞭に強調していたのです!

今回の「関係自治体の了解を得られた」という発言は、その地元の意思とは全く異なるもので、実情は以下の通りです。

 安倍首相自身も「地元の理解を得てから実施する」と平成30年1月の国会で

発言はしてはいます3月26日渋谷区議会決議、国宛の「意見書」指摘プロジェクトの実際の推進母体である国土交通省首都圏空港課の主催により回を重ねたオープンハウス型や教室型の住民説明会では、ほとんどの区民が反対し、その声は日々大きくなる一方です。また、品川区、渋谷区両議会では、住民の理解が得られていない、などとして今年3月、全会派一致で計画を「容認しない」決議を出し、現在も計画の見直しを強く求めています。住民の代表である地方自治体議員による議会の決議は言うまでもなく極めて重いものであり、国交省は十分に傾聴し、尊重すべきです。

東京都心に於ける住宅・商店街密集地や林立する高層ビル群上空での低空飛行は、世界の常識からしても極めて危険と思われます。

人体への影響は計り知れず、騒音、ジェット旅客機の排出する超微粒子に依る大気汚染、低周波被害などによる肺がん、心臓疾患、喘息など、多くの公害を産み出す事、また幼児や視覚障碍者への配慮も全く欠如しています。

 これほど危険な上に、国交省は騒音対策として、通常の飛行機の降下角度を3度

から、3.5度に引き上げる方針を表明しました。これはパイロットにとって操縦上の負担となり重大な事故につながりかねません(★註:専門家指摘)また、今回の低空飛行ルートにより6500億円の経済利益を見込んでいるようですが、犠牲にされる地域への補償は極めて限られています。

その上重要なことは、そもそも1975年に地元住民や自治体(大田区議会)で

【安全と快適な生活を確保できない限り、空港は撤去する】【飛行機は海から海へ

のルールを取る】との原則が確認され、その通り従来は実施されてきました。その覚書を国が一方的に破棄する事になるのです。これは許されることではありません!

言うまでもなく、国が常に守るべきは何よりも国民の命と健康そして民主的な手続きです‼ 今回の国交省の計画はその真逆を行くもので、主権在民たる国民を愚弄するもので尋常ならぬ怒りと絶望に近い落胆を抱きます。 私たちの会の代表は、すでに8月8日の国交大臣の実施発言のあと直ちに首都圏空港課に電話にて、口頭で抗議の意思表示をし、課長ならびに航空局長に伝達するように申しておりますが、この公聴会の場に於いて改めて抗議の意思表示をするものです。

2019年10月12日  


10月12日 小室桃子さん

公 述 書

氏名 小室桃子

 

公述内容

申請者は、「五、空港等を利用する者」として公述いたします。

●都心の人口密集地の上空を通る離発着は、ルート下の住宅地への落下物被害リスク

の増大、決して起こらないとはいえない想像を絶するような墜落事故、世界の趨勢は

安全や環境に配慮し、過密都市を回避する方向であるのに、あえて今の時代に推し進

める理由が全く理解できない。

国交省が打ち出した4 つの増便の理由(目的)「①経済の維持②地方の活性化③観光

客の増加④オリンピック・パラリンピックを円滑に開催」について、北区の「教室型

説明会」で、2 度も質問しましたが、国交省職員の方からのお答えは、説明時のもの

と同じことの繰り返しで、納得できず、理解よりも不信感が生まれました。これが国

交相の言われる「丁寧な説明」「地元住民の理解を得ての実施」なのでしょうか。

●パイロットにとり、都心の低空ルートは、かつての香港啓徳空港を思い起こします。

ジェットコースター並みで、飛行機の窓にニョキッとビルが飛び込み、その合間を滑

走路目指して着陸する。まさにスリル満点でしたが、世界でもパイロット泣かせの空

港との異名をとっていました。そのため、早々に別の島に新空港を造りました。島か

ら香港の街までは、電車を使い以前より時間はかかるようになりましたが、全く不便

を感じません。むしろパイロットの精神的安定は、乗客にとっても安心につながって

います。

加えて、降下角度を3 度から3.5 度にしたことは、返って航空機事故の危険をわざ

わざ増す状況を作ってしまいます。机上では、0.5 度は大したことがないように見え

るでしょうが、スキー場で雪山の頂上に立ち、滑りおりる時を思い起こすといいでし

ょう。わずかの角度の違いがとてつもない急降下に思えドキドキします。

何百人という乗客の命を預かるパイロットにとって、それは単なる0.5 度ではなく、

心的恐怖であり、責任の重責に押し潰されそうなほどの緊張を強いることになります。

パイロットにもベテランもおり新人もおり、全てのパイロットの技術が同じではない。

慣れない3.5 度の降下角度は、あえて航空機事故を誘発しかねないと思われます。

あるいは、うまく降下したと安心した時、頭を上げた途端に、尻もち事故を起こす

危険性もあります。

過密スケジュールに精神的重圧、アルコールの力でも借りて自分を奮起させたくな

る気分にもなるかもしれません。そのような新聞記事がありました。

●羽田空港の飛行スケジュールは、現状でも目一杯です。そのため、次々とやってく

る飛行機が思うように着陸できないため、上空で待機しなければならない(ゴーアラ

ウンド)ため、夜空を眺めていると、1 機や2 機ではなく、3 機4 機が空中待機してい

る飛行灯がしっかり見られます。

このような状況で、着陸から次の飛行までに必ず行なっている機体点検の時間は短

く、また空港整備士も不足しており、点検は机上で考えられているようにしっかりと

捗るのかは大変疑問。それなのに、今以上の増便を計画しているわけです。物理的時

間はさらに短くなり、整備士の数も増やせない。国交省の説明で言われるように、厳

しい点検規定を作ったところで、机上の空論、現実には生かされません。

もっとしっかり現実を見つめて考えてもらいたいと思います。

●視力に障害をお持ちの方は、音を頼りに日々の生活をしておられます。慣れ親しん

だ町の音を頼りに歩く。ところが、飛行機の騒音は、頼りのその町の音をかき消して

しまい、立ち止まり動けなくなる。状況が把握できなくなるから。しかも、品川上空

では、時間帯にもよるが1 時間に44 便増便、80 秒に1 機が現れることになります。

2020 年パラリンピックのブラインドサッカーが招致されていた品川区でしたが、

羽田増便問題で飛行機の音問題があり、競技場をお台場に移転させたそうです。

●離陸ルートでは、「海から入り海へ出る」を守っていた時にはなかった、新たなそ

して大変大きな問題を作り出しました。離陸時、石油コンビナートの上空を飛びます

し、近場には、東芝の原子力臨界実験施設が存在する。わずかな落下物から大きな災

害に発展することも容易に考えられる。全く危険飛行をわざわざ取り入れているみた

いです。

●国交省の仰る「日本の豊かな暮らしを将来世代に引き継ぐためには、世界との結び

つきをさらに深め…」には、地球規模の思考・視野が必要です。

スウェーデンの16 歳グレタさんが訴え「未来のための金曜日」行動が、今や全世

界的に広がり、9 月20 日は世界中で400 万人がパレードしました。

台風19 号にもみられるごとく、気候変動を私たち地球人は最も考慮しなくてはい

けない時代に来ています。それを考慮した政策を考え実行することこそが「将来世代

に向けた大人たちの姿勢」ではないでしょうか。

飛行機一機のCO2 排出量は、鉄道の実に5 倍、オランダでは、航空会社が「近場な

ら飛行機を使わず、鉄道に乗ろう」とキャンペーンを始めたと新聞に出ていました。

このような世界の流れに逆らうように、羽田空港では、より一層CO2 を増やすための

増便を図ろうとしている。しかも、これまでは、「全く『0 ゼロ』にできない事故」

を最小限にするために「海から入り海に出る」の約束を守ってきた。

しかしそれを反故にし、世界に、時代に逆行する「都心の住宅密集地の上空を、低

空飛行する」新ルートで増便を図り大型旅客機を飛ばそうと進めている。子どもや孫

たち、若者たちにどんな空を残すのか、どんな地球を残すのか、彼らの未来を考える

大人でありたいと思います。

*「海より入り海に出る」を維持し、長年大好きな土地に暮らし生活する住民

の生命を危険にさらす「新飛行ルート」の見直し、或いは撤回を求めます。


10月11日 増間碌郎さん

公述内容

 私は羽田空港利用者の一人でかつ航路下にあたる港区三田に住んでおります増間碌郎です。安心、安全な住民の生活を根底から脅かす恐れのある本、都心低空飛行ルート計画に反対の立場から公述します。

まず航路下港区住民の圧倒的多数は計画に反対であることを表明します。「地元の理解を得て」増便をはかるとした安倍首相の演説、「正式な手続きは今後地元のご了解を得られたのちに進め決定したい」という石井前国交大臣らの自らの言、約束を踏みにじる計画の実施発表は取り消し、新たに航路下住民への計画の賛否を問う住民アンケートの実施を求めます。

 航路下地元住民は計画を理解もしていないどころか貴省の多額のお金を使ってのPR,住民説明会にも拘わらず多くの住民は計画の中味を知らない方がまだまだ多く存在しております。反面内容を知れば皆その危険性に驚き、不安を抱き反対の意思を表明しています。

 

 以下私が所属しております「みなとの空を守る会」、以下会と略します。会が昨年秋に行った航路下港区住民アンケート結果に寄せられた住民の声と結果を紹介します。

本アンケートは先に述べたように「地元の理解を得て」実施としておりますが、貴省の計画の公表は多くの方に届いておらず、航路下の住民や勤労者への認知度は率直に言ってあまり高いとは言えないと考えました。そこで私たちは、地元中の地元である航路下住民等を対象に、この問題を知らせるチラシとともにアンケートを実施し、この計画の問題点を大きく知らせ、地元住民等が果たして本当にこの計画を「理解」しているのかを把握するために実施したものです。

アンケートは「受取人払」ハガキを印刷したチラシを新航路下の左右1km幅の約9万世帯のマンション、戸建て住宅にポステングをめざしました。約一か月半にわたり、延250名のボランティアの多くの人々の協力で航路下、全体の9万戸の42%にあたる約38000部の配布を行うことが出来ました。そして返送されたアンケート回答は配布枚数の3.68%にあたる1400通にのぼりました。

 アンケートに寄せられた住民の生の声を一部紹介します。

*計画そのものに対する意見

・住宅密集地の上空を飛ぶこと自体おかしい。生活を脅かす計画など都民のこと

 を考えていない。断固反対です。

・閑静な住宅街並びに大使館の多い港区の頭上を飛行ルートなど、全くもって見

 識にかける知恵のない無責任な計画だ。観光で外人客を取り込むことと引き

 換えに、この地域の伝統・文化を破壊する計画は未来に向かって必ず禍根を残

 すことになる。

・子どもが通う小、中学校も新飛行ルート上です。落下物、墜落の危険ももちろ

 ん不安ですし騒音による集中力(授業の)低下なども懸念しています。なぜわ

 ざわざ人の集中している都心の頭上を飛行ルートにしたのでしょうか。

*国交省の計画の進め方に対する意見

・これだけの住宅密集地の上空を低高度の航空機が飛ぶことは、さまざまな問題

 があり住民コンセンサスがないままの実施はあり得ないと考えます。

・住民の合意を得ることなく、計画を実行することは民主主義の原則に反する行

 為である。住環境の悪化を脅かし公共の「福祉」を奪う可能性が懸念されるた

 め計画の中止を国交省に要求する。

・まず試験飛行をしてそのデータを持ったうえで住民にその公表を掲げて民意

 を問うべき。全く納得できない!!

*国交省の計画の周知の仕方に対する意見

・この都心を低空飛行することによる弊害は計り知れない。環境悪化だけでなく

 事故があれば甚大な被害が及ぶ。「地元の理解を得る」とは口先ばかりで周知

 さえされていない。

・計画を知らない人もいる。広報だけの説明は安易すぎ‼!計画を見直すべきで

 す。

・初めて知ったが「地元の理解を得る」ために、国交省はこれまで何を行ってき

 たのでしょうか?

・ただでさえ米軍のヘリで毎日うるさいのに、2分に1回も低空飛行を住宅地の

 上でするのはあり得ない。海側から低空飛行すればよい。しかも地元の理解を

 得るといっておきながら、2年後にこうしようとしている計画があるなんて全

 く聞いたことがなかった。

 

これらは寄せられたアンケートハガキの自由記載欄にびっしり書かれた住民の生の声、叫びの一部です。

 

 次にアンケート結果について述べます。

まず「この計画をご存知でしたか?」との設問では内容を含めて知っていると答えた方が4割にも満たない一方、聞いたことはあるが内容はよく知らなかったと言う方と全く知らなかったと言う方を合わせると6割を超えるという結果です。実に6割以上の方がこの計画を知らなかったという驚くべき事です。しかも全く知らなかったと言う方が2割近くいることも如何に貴省の周知の仕方が不十分なものであるかを示すものです。

次に「この計画に対しどう思うか」の問いに対し不安と答えた人が3分の1を超え、実に約85%の方が中止してほしいと回答しております。航路下住民のほとんどがこの計画の中止を求めていることが明白となりました。

アンケートで「不安、中止してほしいと思う要因」として騒音が9割を超え、落下物の危険が82%、墜落の危険も7割を超え、住環境の悪化も65%におよび健康への被害、資産価値の低下を訴えた方が半数おられました。このように多くの住民の方が不安におびえていることが実施したアンケート結果からわかります。

 

 貴省はこうした直接集め寄せられた声をどのように考えるのでしょうか。政府や貴省はこれで地元の理解を得たといえるのでしょうか。

本来こうしたアンケートは計画を実施しようとしている所轄官庁である当の貴省が、住民や地域社会に広く問い、お互いの合意形成を図りながら進めていく事が本筋ではないのではないでしょうか?

 

 ここでいったん立ち止まって、地元住民の理解がどのようなものかを知るうえで貴省自ら航路下の広範囲な住民を対象に住民アンケート調査を実施して結果を公表すべきことを申して公述とします。


10月10日 岩井京子さん

航空法施行規則第80条の規定により親族が 「二 空港等の区域、進入区域又は転移表面、水平表面、延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の投影面内の区域の土地又は建物について所有権、地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地又は建物に関する権利を有する者」であり、私自身は「五 空港等を利用する者」として公述します。

 

今回の制限表面変更は、これまでも設定されていた円錐表面と外側水平表面だけでは、間に合わないからこそ規制区域を追加するものであり、明らかにA/C滑走路への南風時着陸新経路を使うにあたって設けられると理解しています。近年高層建築、超高層建築が雨後のタケノコのごとく東京一極集中を加速するように生まれており、飛行機が羽田空港へ向けて高度を下げながら着陸するには、規制は必要でしょう。しかしながら、この規制がどの構造物にも厳密に適用されているわけではなく、非常に曖昧な実態が浮かび上がります。例えば、

大田区内のステーションツインタワーズ糀谷フロント・ウエストは高さ              64.55mで、この場所の制限高は約65m 標高が2.5mですから、この建物の建築等可能高は、制限高−標高で62.5mとなり、64.55メートルの建物は建てられないはず。

渋谷に近々完成予定の渋谷スクランブルスクエア(47階建)の高さは230m、円錐表面の範囲外すれすれで高さ制限なし。しかし、650メートル離れた渋谷南東急ビル(14階建)は制限表面の規則が課され、その制限高が238メートルです。標高が14.1mですから、23814.1=223.6  つまり、この場所だとスクランブルスクエアは建てられなかったわけです。

また港区には、歴然とした制限高以上を誇る(?)東京タワーをはじめ、虎ノ門ヒルズ森タワーの高さは255.5mです。この場所の制限高は230mで標高9.2mを勘案するまでもなくアウトのはず。つい先だって8月に着工したばかりの虎ノ門麻布台プロジェクトの森ビルは高さ330mが計画されていますので、225mの制限高を優に100メートルも上回った完全にアウトになる高さです。こんなに制限表面から突出しても許可になるなら、なんのための制限だったのかと、不思議でなりません。

 

建物以外に煙突の高さで考えてみます。例えば、大田清掃工場の煙突は他の清掃工場の煙突に比べて低くなっています。一番高い豊島清掃工場が210m、その他の工場も品川の90mを除けば全て100m以上なのに、大田清掃工場は47mです。それは羽田空港に隣接するため高さ制限があるからです。なぜ清掃工場の煙突が高いのか、それは地上からなるべく遠く離れて煙を排出したいからで、地上に住む私たちの健康への配慮でもあると思います。こうした健康への配慮は無視して飛行機が飛べるように煙突の高さを低くさせる一方で、高層ビルを建てる場合は、高さ制限を守らなくても「まあいいでしょう。」と許可しているわけです。国土交通省に聞くと、港区一体には制限を突出した建造物もあるし、建造中もあるが、それはすでに申請が出されて許可された物件だから、今後は認可されないとのことでした。でも、これはおかしな理由です。なぜなら、港区の位置は円錐表面の下にあり、今回円錐表面は変更されません。それなのに、これまでは認可され、今後はだめと言っているのです。誰がどのように決めるのでしょう。

 

私は、大田区という空港立地自治体に住み、飛行機の利用も数多く、羽田空港が便利になることに対して、その便利さを享受する機会が多かったのですが、最近はもうこれ以上の羽田空港の発展は住民を苦しめるだけなのではないかと思うようになりました。無理に無理を重ねているからです。

 

「日本の豊かな暮らしを将来の世代に引き継ぐためには、世界との結びつきを更に深めていく必要があるとの考えから、羽田空港の国際線の増便のための取り組みを進めています。」と国土交通省はもっともらしく言います。羽田空港の機能強化という聞こえの良い言葉を使って、増便のためには、南風時都心上空をA/C滑走路パラレルで着陸できるようにするしかない、と繰り返します。また、北風時にはC滑走路北向き離陸で荒川沿いに北上するルートが23便/時、17時間半も計画されています。江東区・江戸川区の住民はこれまでも南風時B滑走路着陸便で悩まされてきたのですが、これまで以上に騒音に苦しまなければならないのです。離陸便の爆音は着陸時よりも数段厳しいことが予想されます。そもそもその発想がありえないことだと気づいて欲しかった。ルート下に住み働く人々への配慮があればこのような無謀な計画は成り立たないはずです。よって、制限表面変更して新経路を使えるようにする事には反対です。

 

 


10月8日 大村究さん

制限表面の変更にあたり、その根拠となる新ルート運用に反対する立場から意見を述べます。

5年半前の計画発表以来この新ルートは様々な問題が指摘されていますが、大きくは以下の通りと考えています。

 

一つ目は、巨大都市特有の問題としての新ルート運航自体の危険と、都心空港及びルート強化の矛盾です。すなわち都心の人口密集地で離発着を行うが故の、ルート下への落下物の被害リスクは必ず増大、万一の墜落に至っては想像を絶するものになる。また世界の趨勢は安全や環境に配慮して過密都市を回避する方向であるのに、この流れに反した都心の空港機能強化である点です。都心低空ルートはパイロットにとっても操縦不安を増します。

 

二つ目は市民生活側からの視点です。今回の新ルート下には新たに大きな騒音をまき散らします。この場合、騒音値での制度的補償がありますが、一般住宅は62エルデン以上の場所のみ対処することになっており、そのような地域は何処にもないとされており対策は不必要となっています。一方57エルデン以上基準の学校や幼稚園保育園対策も例えば品川区で24施設のみが対象となり、いずれも想定される騒音被害実態にそぐわないし、対策も抜本的でない。また社会的弱者への犠牲のしわ寄せ、特に音を頼りの視覚障害者には騒音被害によって安心して外を出歩けない、日常生活を強く脅かす問題を作り出すことへの配慮が全くなされていないことなどです。

 

三つ目は経済的視点です。国交省は年間6,500億円の経済効果を謳いますが、デメリットのリスクは定量化されて公表さることもなく、定性効果を含めると少ないメリットと多大なデメリットのアンバランスが明らかです。例えばこれだけ無理なルートを進めても、羽田の現状能力である年間44.7万回に対して、都心低空飛行に限っては1.1万回、約2.5%の効果しかありません。国際線が6万回から9.9万回に、17倍に増えるなどの表現はただのレトリックです。もし増便がこの計画通りの数字であるならば、ガラパゴス的と言われる日本の航空管制方式を国際標準に照らして見直すだけでも十分対応できます。また成田や茨城空港、静岡空港などと多少のやりくりをすることだけでも、十分増便が可能です。

また国交省はわからないと言いますが、低空飛行ルート下の不動産価値が下落することは常識です。

そもそも計画発表時、2000万人のインバウンドに対応するための増便計画と言っていましたが、いつの間にか達成すると4000万人のインバウンドのためと書き換えるいい加減さです。

 

四つ目は羽田空港を巡る地元との話し合いの歴史、その経緯の中で国交省が自ら結んだ約束を無視する無謀です。川崎市とは危険なコンビナート上空を飛ばない合意があります。品川/大田区では沖合移転時の話し合いで、東京都/国と三者合意を行い海から入って海へ出ることを約束しました。京浜島では訴訟が起きて上空を飛ばない和解に至りました。ところがいずれの約束も「あれは当時のもので、今は状況が変わった」と一言です。またD滑走路供用時にはより詳細の飛行ルート取り決めを大田区、川崎市、千葉県との間で行っていますが、その内容の変更手続きもルート決定前には一切行われていません。

 

五つ目、最後は国交省の強引な計画推進と情報秘匿のスタンス問題です。これまで各地で説明会を開催してきましたが、基本的に聞く耳を持ってくれません。「計画はそもそも無理がある、これなら代替案がある」と言っても、計画内容は5年前に決めたこと。今行っているのは理解してもらうための説明であって、議論ではない。出来るのは国交省判断で追加の対策を行う程度だ、と。確かに航空法では国土交通大臣が航路図に線を引けばどこでも飛べるとなっています。しかし言葉では「住民の理解を尊重」という。ところが実際には住民や議会の反対を一顧だにせず、7月30日羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会、8月7日首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会8月8日国交大臣決定会見と続きました。このように重要なスケジュールもこれまで多くを秘匿してきて来ましたが、出さざるをえなくなって検査飛行やこの公聴会などの予定が明らかにされました。ぎりぎりまで重要なことを明らかにしないのもきわめて不誠実です。

 

以上が新ルート計画の主な問題点だと考えます。

 

また、加えてこの計画の、驚くべき雑な側面を感じるようなことが最近わかってきました。

例えばこれまで品川大井町では1000フィート/300mの高さとなり、大型機777クラスで最大80デシベルの音がすると言われてきましたが、実際には最大値ではないことが判明しました。説明会資料で高度別機材別に最大値と示されている値は、実は全国各地の様々な音を機材別に測定して各種条件を均した大きさだそうです。したがって例えば大井町で向かい風で、たまたまエンジンを吹かざるをえない状況になればもっと大きくなる。要はこれまで延々と最大80デシベルと説明されてきたものは本当の最大値ではなく、実際に最大どのくらいの大きさになるかは確認されていないという事実です。

 

次にやはり音に関する点。今回730日の連絡会で初めて3.5度の降下角が発表されました。これは、国際基準が許容する限度内ぎりぎりとはいえ、世界的に見ても類例の少ない、きわめて難しいパイロット泣かせの羽田進入路になりそうです。そもそもこの3.5度が急遽出てきたのは高度を少しでも上げることによって騒音問題に寄与するためということです。ではどれだけ効果があるのか。今回3.5度の提案にあたって操縦の安全を担保するためにシミュレーションは行ったそうです。しかし驚くことに定量的な騒音低減効果はシミュレーションしていない。角度を少し上げるから、その分おそらく少しは静かになると想定しただけだそうです。

 

このふたつのこと、いずれも雑でずさんと感じざるをえません。少なくとも数字に係ることは、公平な評価が出来るよう、技術部門の誠実な姿勢を見せてもらわなくては困ります。

 

そして最後は、この新ルート計画の背後にあると思われる本当の狙いの見え隠れについて指摘をします。

 

それは成田と羽田の関係。8月初旬デルタ航空が来年春から成田を完全撤退して羽田の新ルート増便枠へ移る意向を表明しました。しかし、まさかこんな話を国交省は認められないだろうと思いました。なぜなら国交省の言う成田も羽田も一杯だから、成田は滑走路増設、羽田はルートを変えて能力を上げさせてほしい、というロジックが根底から崩れてしまうからです。ところが、今はオープンスカイの時代だから個別の航空会社にどうこうは言えない、とあっさり受け容れるのです。そんなこと言ったらみんな羽田に来たがります。案の定その後ユナイテッド、アメリカン、そしてカンタス航空までが成田から羽田増便枠への移管を表明しています。

これではそもそも日本の航空行政としてのビジョンが感じられないと言わざるを得ないでしょう。本来であれば成田国際線中心と羽田国内線中心の中長期的なビジョンを明確にした上で国際線成田優先枠を定めた上でオープンスカイに臨むべきです。いや逆に本音が見え隠れするとも言えます。それは成田から羽田への抜本的再回帰。今回の都心着陸ルートさえ確立出来たら羽田の第五滑走路増設で抜本増強が可能となるからです。今回の増加分3.9万回どころか、さらに約13万回が増やせるという試算があります。読売新聞が8月下旬にスクープし、現時点では国も東京都も否定していますが、これこそが今回の新ルート開設の真の目的ではないのでしょうか。逆になるほど、こうまで無理して効果の低い新ルートを通そうとする不合理が、実はすなわち羽田抜本増強への露払いとしてきわめて強力な計画にすら見えてしまうのです。

しかしそうなると、南風、時間限定どころではない。もう東京の空は完全に羽田離発着に占領されてしまうことになります。

これは本当に私の杞憂といえるのでしょうか。

 

私は国際競争力強化も観光立国化も日本の将来にとって重要だと思います。したがって首都圏全体としての空港機能強化もその意味で賛成です。しかし今回の計画はその立場に立ってもあまりにも愚策である。結論から言えば、このような増便計画であるならば都心を飛ばさなくても済む方法がいくつもある。したがってもう一度計画を抜本から見直し、都心を飛ばずに済む多くの人々が納得できる道を是非探る必要がある。以上のことから、新ルートはこのまま導入すべきでない。したがって制限表面の変更は、今時点でその必要がないと考えます。

 

 


10月7日 藤田直子さん

公述書

 

藤田直子




私は、航空会社のいち利用者です。専門知識を持ち合わせてはいませんが、今回の羽田空港の制限表面変更の告示を受け、意見を述べます。

 

まず、成田空港の制限表面を調べてみたところ、完全な円形だったので、羽田空港のそれとは様子が違うことに驚きました。けれども、「航空機の安全な離着陸のために、空港周辺の一定の空間を障害物がない状態にしておく必要がある(東京航空局HPより)」という制限表面設定の理由からすると、成田空港のように標点を起点に等しく円が描かれることは、山岳など自然の立地条件を除けば当然のことだろうと考えました。

しかし羽田空港の場合は、今回の変更に関わらず既にいびつな形となっています。つまり、空港周辺に高い建造物がある、または見込まれる場合は、本来描かれるべき円に、一定の意図が加わるか、または例外的措置があるのが、この制限表面設定であろうと予想しました。   

実際、墨田区の東京スカイツリー(634m)が作られた当時、高さ制限区域が見直されたと元管制官から聞き及び、確かに制限表面を表す円が、墨田区付近でえぐれるように欠けていることからも、前述の私の予想がさほど的外れではないことが確認できました。

次に、「羽田空港高さ制限回答システム」で検索したところ、東京タワーの住所(港区芝公園4-2-8)の制限高は214mとのことでした。東京タワーの高さは333メートルなので、制限表面の規制から除外されていることになります。仮に、航空障害灯を設置すること等で規制を免れたとしても、それは、飛行ルートからは離れていたために問題にされなかったのではないかと推察しました。

それではいったい、この制限表面とは、何なのでしょう?既存の高い建造物は適用外としつつ、或いは制限から外し、一方で新ルートを始めるからと言って将来に亘って高層建築物を建てさせない。航空機の安全運航のためと言うならば、本来厳格に線を引くべきではないですか?東京タワーの高さを低くする、或は撤去したのちに、この度の新ルート設定に伴う制限表面の変更がなされるのであれば、整合性があり理解できます。

いや、そうではない。新ルートのために、後付けのお墨付きとして今回の変更がなされるものと、理解しました。

 

今回の変更については元々専門知識もなく制限表面そのものの是非を論じる立場にもありませんが、しかし、今度の新ルートは東京タワーの至近を飛ぶ以上、安全性に問題はありませんか?いや、むしろ、東京タワーの近くを低空では飛ばない、とする方が、より正しく、より「航空機の安全運航のため」になりませんか?

 

羽田空港へ向かう航空機だけの問題ではありません。都心部では、医療、防災、報道などの各種ヘリコプターも飛来しますが、これらと新ルートを飛ぶ航空機との衝突や接近の心配は、全くないのですか?傍らに高い建造物はじめビル群があり、新ルートでは毎時44便の旅客機が飛ぶ、その合間を縫うように、水平方向にも垂直方向にも気を遣ってヘリコプターは飛ばなければなりません。ヘリコプターを運航する関係者からの聞き取りや調査は、どれほどなされているのでしょうか。こんな恐ろしいことはやめるべきだと思います。

 

東京タワーばかり書きましたが、高層ビルの立ち並ぶ新宿、渋谷、港、品川といった都心部が新ルートの直下となっており、航空機はちょうど着陸態勢に入っている時期です。航空機事故の多くは離着陸時に発生すると言われ、運航現場では「クリティカル11ミニッツ=魔の11分(離陸後3分及び着陸前8分)」と呼んでいる、最も危険なタイミングに、人口密集地を低空で飛行することになります。万一航空機にトラブルが発生した場合、即座に安全なエリアに離脱することが難しいと言われています。

同じことは、北風運用の荒川ルートについても言えます。「離陸直後にトラブルが発生した場合、荒川上空なのだから、『ハドソン川の奇跡』のように緊急着水ができるのでは?」の質問に、元パイロットは「橋の数が多くて、怖くてとても着水はできない」と即答しました。

 

もっとも、ここまで深刻なトラブルは頻繁に起こるものではありません。しかし、落下物の心配があります。主要7空港で調べた部品欠落件数が1年で447件もあった事実を把握しながら、首都東京の人口密集地上空を飛ばすのは、愚かで危険としか言いようがありません。「どんなに対策しても部品脱落はゼロにはできない」と現役のパイロットも整備士も言っています。

 

このように、都心上空に新ルートを設定することは、航空機の衝突、墜落、落下物など都民の安全な暮らしを脅かすことになり、最悪の場合生命にもかかわります。 運航上不安全が疑われる場合、もしくは、今よりも安全性が後退することが考えられる場合は、安全サイドに立って対処するのが大原則です。つまり、都心上空は飛ばさないことが安全であり、輸送の安全の確保につながるものと思います。

 

一旦立ち止まって、是非や必要性から議論しなおすべきと考えます。

 


10月7日 長野一郎さん

羽田増便計画による低空飛行の問題点

 

 騒音だけではない落下物の恐怖

 

 私は還暦を過ぎた全盲の男性である。昨年まではアルツハイマー型認知症を発症した母親の介護を行うために品川の自宅と横浜の実家を往復する毎日だった。他人は目が見えなくて大変だろうから、老健や特養などの施設に入れてはどうかと言ったが、私は母の願いである一生を自宅で過ごしたいと言った願いを叶えたいと思った。それが私を育ててくれた母の大いなる愛情に対するささやかな恩返しだ。

そんな私は品川区に39年ほど住んでいる。 私は雨が嫌いだ。特に風雨の強い日は猶更だ。それはいつも頼りにしている町のそこここで聞こえる音がかき消されてしまうからだ。

だから私はよほどの事でもない限り、雨の日でも傘は刺さない。ところが、19年ほど前の事だったが自宅前の坂を5分ほど歩けば会社に着くはずのその坂が川になっていた。それほど雨が強く降っていた。さすがにその時ばかりは私も傘を差した。

 通勤途上で最も危険な個所は交差点だ。その頃はまだ音響信号機は設置されていなかった。雨が酷かったせいか?通勤時間にはまだ早かったせいか?通行人が見当たらない。と言うより聞き分けができないほど雨が強く降っていた。数分横断歩道の前で立ち尽くしていたが、誰も私に声をかけてくれない。我慢できずに横断歩道に一歩足を踏み出した瞬間、水を跳ね上げて私の前を勢いよく車が横切って行った。慌てて歩道に戻ったが、心臓が口から飛び出すかと思うほどの恐怖を味わった。雨音が普段なら聞こえるはずの車の走行音をかき消していたのだ。

 その恐怖体験が元で警察署の交通規制係に電話を入れて音響信号機を設置してもらう事となる。私は係官に命の問題だと必死に訴えた。するとその警察官は現場に立ち会い、危険性を十分に認識してくれたのだった。実はその警察官も、急に耳が聞こえにくくなってきていたそうなのだった。それだけに私の訴えが実感できたのだろうと思う。予算措置の問題もあり実現するのは翌年度の話だと思っていたが、その予想を逆の意味で裏切ってくれて数か月後に音響信号機は設置され、通勤時の危険は取り除かれた。

私たち視覚障害者がどれほど音に頼っているかが少しはお分かり頂けただろうか?

羽田増便計画は、そんな私たちの安全と安心を根底から覆すものだ。象徴的な事例がある。2020年のパラリンピックの協議でブラインドサッカーが品川区に招致されていた。ところが、この計画が明らかになるとブラインドサッカーはお台場に競技場を移転させた。これは、当然だろう。空を飛び交う騒音の下では、音を頼りに行う視覚障害者の競技が開催できないのは明らかだ。音の大きさは80デシベル。国はその騒音を蝉の鳴く声程度だと説明している。だったら百歩譲ろう。蝉の鳴く声程度であっても、私たちが何処に何があるかが判らなくなると言う事がこれを読んで下さる皆さんにもお分かり頂けたと思う。今度の計画では、年間に39,000機の増便になると言う。時間帯を限定しているとは言いながら、1時間に44便の増便になるのである。これはつまり、80秒に1機が私たちの歩いている品川の上空に現れる事になる。その都度、私たちは蝉が過ぎ去るまでその場に立ち尽くしていなければならない。否そうではない。音は上空で突然に聞こえるわけではなく、その遥か手前から徐々に大きくなり、上空で最大になり徐々に聞こえなくなる。視覚障害と言っても見え方は千差万別である。これと同様に聞こえ方も千差万別だと思う。敏感な視覚障害者は遥か手前から聞こえる飛行機音でも恐怖心をあおられて、足がすくんでしまうかも知れない。これでも国は私たちが安心して歩行できると考えるのだろうか?

安全・安心の問題はそれだけではない。計画では品川区の大崎上空で、高度は30メートル程度だと説明している。ここで飛行機は着陸態勢に入り、車輪を出す。この時、凍った機体からは氷の塊が落ちる。そればかりか部品まで落ちてくる事があるのだ。記憶に新しい事だが、2年まえの924日にオランダに向かう飛行機から部品が落下して交通量の激しい道路を走行していた車に激突した。これが人口密集地の大崎の上で起きたらどうなるか?いつか必ず死人が出る。こんな暴挙を私は黙って見過ごすことができないと思った。

 

この暴挙に私が気づいた時、仲間の視覚障害者はまだほとんどこの事に気づいていなかった。健常者の区民も比率的には同様だったろう。私はこの問題を視覚障害者だけで解決できるものではないと思った。思いは通ずるものだ。反対運動をしている人たちがいてくれた。私はその仲間に加えてもらった。ここにきてようやく運動が広がりを見せてきた。事実を知れば、賛同者は増える。この運動は、品川の空に今のような環境を取り戻すまで続ける覚悟である。

 

 


10月7日 山田淳子さん

以下、東京国際空港について指定した円錐表面及び外側水平表面に変更を加えることに対しての公述案:

【公述人】
山田@港区

【公述内容】
(前置き)
羽田空港増便のために、新たに制限表面を追加することには、空港を利用する者として、反対の立場から意見を述べさせていただきます。反対の理由ですが、それはこの都心上空低空飛行する計画そのものに、大変大きな様々な問題が存在しており、増便するにしても、問題が解決しない以上、都心上空を低空飛行するルート等は設定せずに、これまで通り海上ルートで運用すべきだからです。元パイロットからは、海上ルートのままでも、世界標準の滑走路進入許可の15秒撤廃や、政府専用機枠を使う等という別の方法で、問題のある都心上空を低空飛行せずとも、国土交通省の考える増便は可能であると聞いています。国土交通省は、これまで都心上空を低空で飛行するという、タブー視されてきたことを破らずとも、増便できる案を検討すべきであったし、そうすることによって、今回の公聴会で問われている、将来の自由な発想のもとに設計される高層建築に制限を課すような、制限表面の追加も不要になるということです。

(計画の問題性の原因)
そもそもなぜこのような問題ある増便計画が作られてしまったのでしょうか。それは国土交通省公表の、計画の取りまとめがなされた「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」における議事内容をみれば明らかです。この委員会での最重要課題は便数を増やすことであり、それによって引き起こされる不都合な事案に対して、解決のための検討はほとんどなされていませんでした。つまり、プラスと考える増便という目的は達成するものの、同時に都心低空飛行するルートを設定することで発生するマイナスな面については、十分な検討はされることなく、現実に行うには問題ある計画のまま発表されてしまったわけなのです。そのため、その後新たに騒音や落下物の対策案を追加作成したものの、その内容は利害関係者に納得を得られるようなものではなく、今もって、多くの人から計画の撤回を求め続けられているというのが実情です

(乗客として)
航路下にあたる人びとの反対の声は、言わずもがなですが、さて、もし、来年3月29日以降、南風の日にあたり、新ルートを飛ぶ飛行機の乗客としての立場からはどうでしょう。
果たして都心上空を低空で飛んでいくのは気持ちのいいものでしょうか。実際はそうではないでしょう。眼下は人口密集地、高層ビルを間近に見ながら羽田に向かって降りていくのです。ギアダウンも海上ではなく、地上で行います。都心なので、氷塊や部品の落下があれば、人身事故、交通事故、列車事故、器物損壊を招く確率が高いのは容易に想像できます。航空局が今年7月に出した「航空輸送の安全に関わる情報」には、「近年、世界的にみて民間航空分野における死亡事故発生率は、下げ止まり傾向にあり、 国際民間航空機関「ICAO」では、今後、航空機の発着回数の増加に 伴い、航空事故等の発生件数は増加すると推計しています」とも記されているのです。

まだまだ不安はつのります。もし都心でダウンバーストがあったなら、多くの地上の人びとが巻添えになるでしょう。元パイロットから聞いた話しです。過去にある日本の空港近くでダウンバーストにあったことがあるが、危機一髪で免れ、新聞にこそ載らなかったが大変怖い体験をしたと。

地上の人びとは、騒音、轟音で憤慨、また訴訟中かもしれません。そんな状況をわかっていながら、快適な空の旅が出来るものでしょうか。ある人は大きな機影に轟音で、恐怖を感じているかもしれません。土日関係なく飛行することで、ゆっくり静かに休息する時間を奪っているかもしれません。お昼寝が必要な乳幼児には大迷惑です。気候のいい日であっても窓を開けて過ごす自由を奪っているかもしれません。ストレスためるでしょうね。校庭でクラブ活動している子供達には、お互いのかけ声は聞き取りずらく、コミュニケーションも不自由なことでしょう。公園で無邪気に遊んでいる子供たちに空から排気ガスを撒き散らしているのです。静かに手を合わせていたい社寺の神聖な場所があっても、不気味な轟音は、所構わずふりまかれていきます。さらに深刻な事には、騒音で視覚障害者の方々の自由な歩行を妨げ、危険回避を難しくさせています。実際それではひとりでは歩けないのではないでしょうか。その方々の決まった時間の通勤、通学などはどうするのでしょうか。音で判断して危険を察知する、このことは勿論、健常者にもあてはまります。

それだけではありません。離陸ルートの場合、すぐに野鳥の楽園と言われる多摩川の上空を飛ぶ際には、バードストライクが心配です。と思う間も無くそのまままたすぐに、今度は一旦火災が起きたら止めることが出来ない、これまでは避けていた石油コンビナートの上空を飛びます。まるで危険な飛行をおもしろがって好んでやっているかのようです。安全に対する感覚が麻痺してないか疑ってしまいます。

最近になって、国土交通省は、降下角を3.0度から3.5度に変更し、飛行高度を上げることで地方自治体からの理解を得ようとしました。しかし、それが着陸難易度を上げる、と説明することはありません。これに対して空の安全を守り続ける良心あるパイロットは、「これは時間帯、風向きによって変わる複雑極まりない話しで、着陸に困難さが増す。日本のパイロットでもそうだが、ましてや外国のパイロットにとっては年に1度しかないような難しさになる」そういう事実を公に明らかにしてくれました。利用者として、危険が増す3.5度の着陸はやめていただきたいです。今年5月にモスクワ郊外で41人の死者を出したロシア航空の機長は、現在粗雑な着陸をしたことで起訴されています。3.5度の難易度の高い着陸でも、無理に着陸しようとして失敗するパイロットがいてもおかしくはありません。

ただでさえ、飛行機に乗る事は、世界的な環境問題から「飛び恥」と言われるこの時代です。多くの人の生活に、これだけ沢山の迷惑をかけながら飛ぶ、さらに、新ルートを飛ぶことで搭乗者にも地上の人びとにも様々な危険が増すのです。この事実を知ってしまったら、とてもとても空の旅は快適だとは思えなくなります。出来るなら、より環境に優しく安全な列車の旅を選びたい、これからはそう思う人も増えることになるでしょう。

(航空会社)
では、航空会社はどうでしょうか。増便で利益が出て喜んでいられるのでしょうか。航空会社が、美しい機体で大空を舞うラグジュアリーな航空機の広告をうち、イメージアップを図っても、いえ、そのような広告を出せば出すほど、迷惑を被っている数百万単位の地上の人びとからは強い反感をかうばかりでしょう。都心低空飛行する新ルートを飛ぶことは、航空会社にとっても不評をかうマイナスな面があることは否めないのです。ゼロにはできない落下物や墜落事故の危険で、人びとはまるで長い長いロシアンルーレットを強いられるような生活を余儀なくされるのです。そして万が一、落下物や事故が起きれば、それこそ大問題です。とりかえしがつかないことになります。1989年、アメリカ、スーシティーであった航空機事故発生時の防災訓練を私たちはしたことがありません。その事故の時は、1ヶ月前にも訓練をしており、人びとは事故発生後30分以内に献血に駆けつけ、多くの人を助けることが出来たそうです。
また降下角を3.5度に変えたことで着陸が難しくなれば、込み合った時間帯にゴーアラウンドも増え、1機も遅れることは出来ないような過密スケジュールであるのに、約束の3時間は守られなくなったりすれば、さらに人びとの怒りは大きくなるでしょう。すでにゴーアラウンドは、過去1年間で600回以上発生している報告もあります。機内の人へのサービスは重視する航空会社ですが、地上の人びとに対しては、仕方ないと軽視している組織のようにみえます。

(国)
それから、国、日本という国に対して与える影響はどうでしょうか。まず、日本の玄関、羽田で、海外から来る人が最初に目にすること、日本の第一印象、それはどうでしょうか。低空飛行するのは首都東京の最も混雑した街の上。今時、人口密集地の上を平気で低空飛行する事を認めている国とは、一体どういう国なのかと驚かれることでしょう。世界の常識とは逆行することをしているのですから。こんな低空飛行では、ビルの上からドローン飛ばして、飛行機事故を起こすことも簡単です。騒音、排気ガスを撒き散らして日本は実に環境に優しくない国、しかも無防備な国。世界に、環境意識が低く、危機管理、リスク管理も甘いという点で、日本という国のブランド価値を低下させることでしょう。増便をして経済的にプラスになると見込む一方、負の側面があることも全て含めて検討しなければ、出来上がるのは欠陥計画です。再度多方面からの検討をし直さない限り、この計画は実施されるべきではありません。国土交通省は、増便するにしても人びとの平穏な生活と共存できる道を選ぶべきです。

(今後の課題)
このまま問題がある不完全な計画を実施することは、今後、首都東京は大きなリスクを抱え続けることを意味します。世界に「東京イコール危険な都市」との名が広がることをよしとするのですか。
空港施設の増設がない航路変更のため、環境アセスメントが行われることもありませんでした。「計画策定者からの丁寧な説明があったかどうかについては、説明を受けた側がそのように感じたかどうかだ」とある元県知事は言っており、その意味からすると、国土交通省からの丁寧な説明はないまま、新ルートが発表され、今日の公聴会に至っているといえます。このプロセスは有効と言えるのでしょうか。今からでもこの都心低空飛行計画は見直し、今後は「航路変更の場合であっても環境アセスメントを必要とする法の整備」を強く望むことをお伝えして、私の公述を終わらせていただきます。


以上

10月7日 須永和男さん

渋谷在住の須永と申します。
平成22年10月13日の、「成田空港30万回の地元合意に際しての国土交通大臣コメント」で、
「成田空港に関する四者協議会において22万回から30万回への容量拡大に関する合意が
なされた」と宣言してるし、「千葉県及び成田市、芝山町をはじめとする関係自治体の皆様のご理解とご協力」との文言がある。
http://www.mlit.go.jp/report/press/cab07_hh_000034.html

一方、成田空港株式会社の発表によれば、成田の着陸回数(2018年 4月〜19 年3月)
は25万6800回であり、上記地元合意に対して4万回以上の余剰が存在する。
https://www.naa.jp/jp/airport/pdf/unyou/n_20190627_2.pdf

滑走路1本の福岡空港が、年間18万回の離発着こなしてる事実も合わせ検討すれば、
滑走路2本の成田空港がパンパンで余剰枠がないとの説明に、全く合理性はない、と言える。
にも関わらず、平成30年8月28日付の、国土交通省航空局発渋谷区正副会長連絡会資料にて、
成田空港の(発着回数の)現状を約30万回と説明し、
本年1月19日港区オープンハウス説明会で航空局室長に私が問うたところ「適切でなかった」
と間違いを認めました。これは成田で吸収できるに関わらず、成田は満杯と思わせる、
確信犯的な行為である。

着陸関連機器が日英に差がないにも関わらず、ヒースロー空港は日本の空港の1.5倍の運用数
である。例えば滑走路1本のガドウィック空港は、滑走路2本の成田に近しい運用をこなす。

住民説明会でヒースロー空港を研究、視察したことの有無を質問したところ、室長は視察していないとの回答だった。別の会で、航空管制のやり方を国際基準で運用すれば現状海からのルートで狙う増便はできる。と室長に提案したことに対し「国際基準は知らない、羽田は羽田のやり方でやる」との回答だった。
まずこの回答を本日の答弁者はどう考えるかお答え下さい。

千葉市と異なり、渋谷区は至近上空でギアダウン行われることから、氷塊や部品落下に伴う頭上直撃リスクを被る自治体の一つである
着陸時のクリティカル8分以内を、人口密集地・東京を、21世紀になって初めて着陸飛行経路に指定し、さらに時間44便以上を飛行させるという、行為を行うことは、
世界に例を見ない愚かな政策と断言する。
挙句、B滑走路から離陸するルートは石油関連施設の上を離陸する、昨年5月熊本でエンジン部品の落下があった、エンジン部品は1500~1600度になっており配管に当たれば静電気火災になる、ナフサのタンクもあり大災害になる。また至近には、東芝の原子力臨界実験施設まで存在する。
航空機事故が原子力災害に発展する。

ましては、今回の増便予定3.9万便は、成田空港で処理可能な数字である。
一旦は成田空港の増便で処理し、その間に技術検討小委員会と23区住民に対する説明を
ゼロからやり直すことを強く申し入れる。


10月6日 黒田英彰さん

氏   名      :黒田 英彰

職   業      :会社経営

住   所     

公 述 内 容

(公述書には公述しようとする内容を具体的に記載する。)

私は渋谷区広尾在住の黒田です。今年、2/465/9118/319/26回、羽田空港利用してます。

1999年に渋谷区、円錐表面内ですが、転居して今年で20年。都心低空飛行計画より前から住んでる「先住者」である、会社経営者、です。

私は、今回の、円錐表面及び外側水平表面の変更に大反対です。なぜなら、変更の大前提になっている都心低空着陸飛行を実施せずとも、つまり今回の円錐表面 外側水平表面に一切変更せずに従来のままであっても、渋谷区民をはじめとする東京のステークスホルダーに迷惑をかけることなく、首都東京の3.9万便の増便を処理可能な、合理的選択肢が存在するからです。技術検討小委員会の、人選も検討結果にも、瑕疵の疑い強し!

 

詳細の公述に入る前に、今回の公聴会の前提を確認させてください。

    私は、HDMI端子を用いて、PC画面のプロジェクションを要望します。いかがでしょう?

    国交省主催の公聴会で前例がありましたが、国交省役人との一問一答式の質疑を要望します。いかがでしょう?

http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/land_expropriation/images/1.pdf

例えば、平成131227日、常磐新線(千葉県内)に係る公聴会では、全文書き起こしがネット公開されていますが、何人かの公述人は質疑が認められています。この公聴会で質疑が認められないならば、その明文根拠規定の提示を要求します。

質疑応答の時間を除いて、公述を読み上げる純粋な時間として、1520分の時間を要望します。

    教室型説明会ですと、マスコミの取材に厳しく制限をかけていた事実があります。公聴会の規定である「航空法施行規則80条〜81条の15」の中に、マスコミの撮影を制限できる明文規定はないが、この公聴会の撮影・録音などに規制をかけているや否や、明文根拠規定は何?

    私の記録のため、録画・録音を行うが、この行為を規制する明文規定は存在するや否や

    施行規則81条の13で、国交省は速記ほかの記録を残す義務がある。また施行規則81条の132項の規定に基づき、

要旨ではなく、全文の書き起こし、ありのままの記録を、可及的速やかにインターネットでの公開、との形式での閲覧を口頭で「申し出」します。

 

では、具体的に公述に入ります。まず、現状の都心低空飛行計画の問題点の要点整理のため、310秒の動画を見ていただきます。

              *都心低空飛行問題シンポジウム・ダイジェスト動画放映(310秒)

都心低空着陸飛行を実施せずとも、東京のステークスホルダーに迷惑をかけることなく、首都東京の3.9万便の増便を処理可能な合理的選択肢、時間の制約もありますので、この公聴会の場で代表的な事例を二つ紹介します。この二例の他、選択肢が他にも複数いろいろと存在していること、

傍聴の皆さんにお伝えします。

 

(成田空港の余力や、羽田空港で時間88便の運用可能との技術検討小委員会の委員の説と、国交省の説明の食い違い実例)

第五フェーズの説明会資料 v5.1.2、ノンブル10頁(pdf 28/128頁)において、「成田空港も既にフル稼働の状態にあり」という記載があります。

成田空港は、平成221013日の、「成田空港30万回の地元合意に際しての国土交通大臣コメント」により、「四者協議会において

22万回から30万回への容量拡大に関する合意がなされた」と宣言してる。一方、H30年度の離発着実数は256,821回に過ぎません。

地元合意済みの30万回の容量に対し、43,179回の余剰が存在します。羽田増便計画は年間39,000回です。

参考まで、滑走路1本で日本で最もタイトな運用してる福岡空港、年間89,291回の着陸。離陸含めれば18万回弱の運用を行なっています。

滑走路2本でパラレル運用可能である成田空港だからこそ、35万便の運用でさえ「物理的には可能」と判断できます。

25.6万回の発着で「フル稼働」であるハズはありません。まさに誇大表現です。福岡空港に失礼です。

世界に例を探せば、英国ガドウィック空港では滑走路1本で28.4万回を運用してます。成田空港は滑走路2本で25.6万回です(苦笑)

簡潔にここまでの話を纏めると、成田空港には、3.9万便の羽田増便をまるまる受け入れ可能な「物理的な余力」あり、と言うことです。

 

更に言えば、ただでさえ国際線で最大離陸重量で離陸運用する実例が多い、夏休み時期(ピークシーズン)において、

外気温も35度以上が頻発する昨今の東京羽田(気温上昇は必要滑走路長が長くなる)です。

離陸滑走距離のスペックが標準状態で3000mを超える、B777-200ER/300ER787-900などを離陸させるのに、最も厳しい時期だから、

危険な離陸を避けるために、羽田でなく4000m滑走路ある成田でこそ、離陸滑走路長が長い国際線の機体をメインに運用するのが、王道です。

ゲリラ豪雨降られて、路面が濡れていると、必要滑走路長が更に厳しくなるワケですし。

最大離陸重量において必要滑走路長2500m前後で済む、という新鋭機はまだ登場してない2019年でありますから。

 

もう一例、紹介します。茨城大学工学部の平田輝満 准教授の主張です。

国交省のホームページ上の記載では、彼は、2016/07/22 時点における「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」の委員の一人です。

平田准教授は、20151127日に大阪キャッスルホテルで開催された「首都圏空港の容量拡大に向けた取り組みと課題」との講演で、

つまり技術検討小委員会のメンバーとして、「管制運用の高度化による容量拡大」として、時間44便の南風着陸、年間44.7万回可能との

試算結果を公表している事実があります。

しかし、この検討結果にかかわらず、第五フェーズの説明会資料 v5.1.2、ノンブル28頁(pdf 46/128頁)では「海側から到着し、海側へ出発する方法では、1 時間当たりの発着回数は現行の80回から82回までしか増やすことはできません」と住民に虚偽の説明。

ノンブル29頁(pdf 47/128頁)の「検証を行った南風時の滑走路運用パターン」の中に、平田准教授が提示した、AC離陸44回/BD着陸44回のパターンは全く含まれていません。国交省にとって都合が悪い資料は住民に隠して説明してきた、との実例が、今紹介したように複数ある。

こんなバカな話はあるか? 確信犯じゃないか?

この一言に尽きます。技術検討小委員会の検討プロセスに、大いなる瑕疵(誤り)がある。

私個人はそう感じるのですが、会場で傍聴なさってる皆さんは、いかがでしょう?

 

(千葉市と異なり、落下物頭上直撃リスクを追う、渋谷区など)

渋谷区民である私にとって、都心低空着陸飛行計画の最大の問題点は、氷塊と部品落下リスクがゼロにならず、頭上直撃するリスクが高いこと。

私は千葉市美浜区出身です。確かに千葉市上空、南風の際、着陸機が集中してますし、千葉市長は国交大臣に改善の申入書を提出してる事実も知っています。しかし、千葉市上空ではギアダウン行いません。氷塊や部品落下は、基本、東京湾の上です。その一方、渋谷区民は、ただでさえ

千葉市中央区よりも飛行高度低く爆音レベルが高い上に、さらに落下物頭上直撃リスクまで新たに負う。

千葉市中央区の昼間人口は24.9万人ですが、渋谷区だけで昼間人口53.9万人。港区品川区を含めれば、昼間人口200万人前後の人口密集地帯を、落下物頭上直撃リスクを負わせること。

さらに言えば、B滑走路離陸ルートの至近には、製油所・コンビナートのみならず、東芝の原子力臨界実験施設まで現存する。

20191月、恵比寿で開かれた教室型説明会で、住民が「南風離陸時、川崎市飛行ルート下1km圏内には東芝の原子力研究所に石油コンビナートがある。事故確率が高いと言われる離陸時に、こんな危険な施設上空を飛行する事例が諸外国であれば上げて欲しい」との質問をしたところ、「川崎市や関係機関としっかり調整し、このルートを実現させたいと考えている」程度の回答しかできず、諸外国の事例を紹介しなかったのが、国交省航空局の説明に他ならない。なお、シンガポールのチャンギ空港から14km離れた、隣国マレーシアに石油コンビナートがある事例がある、との話、地方議員のツイートで見かけたことが、私はあります。

 

(航空防災計画の不備な実情)

加えて、渋谷区も隣の港区も、中央防災会議で取り上げてる「航空防災計画」が存在しないお粗末な事実まである。

品川区の航空防災計画は、墜落に対して10行程度の「簡易な計画」だけは存在しています。一方で、数百年に一度の富士山爆発に対する防災計画はなんと18頁に渡り、航空防災計画と比較して、極めて充実してる現状であります。直近1年、昨年10月以降、ライオンエア/アトラス航空/エチオピア航空と、3件の墜落事故。着陸失敗や炎上事故は4件を数える世の中でありますが。

 

(結論)

これが、21世紀の国交省が考える「公共の福祉」なのでしょうか?

これが、防災ニューディールを参議院選挙で掲げた国政政党が大臣を務める、省庁の役人が行う行為なのでしょうか?

成田空港で、当面は3.9万回の増便を処理して、その間に、技術検討小委員会の段階にまで戻って、ゼロベースから議論やり直しすべきです。

都心低空飛行は「タブー」だった時代に戻って、これから羽田をどうするか、オープンに議論しましょう。

説明責任を誰から問われても、お天道様から後ろ指を刺されることがない、まさに道理が通った真っ当な議論を、行いましょう。

そうしてるうちに、成田空港に第三滑走路も完成するでしょう。成田の処理能力は更に向上します。

 

最後に、私の公述、私の許可なく、国交省の都合で勝手に要約しないでください。強く申し入れいたします。

 

 


10月6日 秋田操さん

東京国際空港についての円錐表面及び外側水平表面の変更についての公述内容

 

羽田空港を起点とする高さ制限は現状を維持すべきで、円錐表面及び外側水平表面の変更は必要ないと考えます。

この変更の理由は、国土交通省が、2020329日からの実施を決定した南風時にA、C滑走路に着陸する都心での新飛行ルートのためであるとされています。

今回、高さ制限対象として新たに追加された豊島区、中野区、新宿区、杉並区のうちは、豊島区、中野区、新宿区は、南風時にA・C滑走路に着陸する新飛行ルートが設定されるところです。このために新たに高さ制限をかける必要が発生したものです。

もともと都心を低空で飛行することは環境への影響が大きく、羽田空港沖合移転のさい国は地元品川区、大田区と内陸に航空機が入らない協定(19818月)をむすび移転の了承を得た経緯があります。そして今日まで内陸に航路は取られておりません。

国土交通省は、この協定を当時のことで今は違うと言いますが、自治体・議会・住民との協定は遵守すべきで、羽田空港機能強化による増便を最優先させるような信義に反することは許されるものではありません。

7月30日、都が開催した「羽田空港機能強化に向けた関係区市連絡会」(235市)に参加した副区長、副市長から都心やの低空を飛ぶ新ルートにさしたる反対もなかったこと、それを受けた8月7日の「羽田空港機能強化に向けた協議会」を経て国交省は「地元の理解」を得たとしています。しかし、関係自治体の「理解」だけで住民や議会の「理解」を得たとすることはできません。現に品川区議会の決議、渋谷区議会の意見書があり、「地元の理解を得た」とする住民の意思を示す根拠がありません。「地元の理解を得た」は、住民の投票でもなく住民の意思を表明する手続きもなく、結論を急ぐ国側の勝手な判断です。

一方、南風時に川崎コンビナート上を低空で飛ぶルートができます。コンビナート上でエンジンのブレードの破片が落ちることによる重大事故が起こる可能性があります。またあの「ハドソン川の奇跡」のようにバード・ストライクで両エンジンのブレードが破損しエンジン・ストップで緊急着陸した例もあります。とくに都心ではエンジンが止まっても逃げ場がありません。密集地帯に墜落することになります。

WHO(国連保健機関)のガイドライン(201810月)が指摘する騒音の健康への影響問題について国交省は、都心低空飛行の影響を検証しないとしています。また関係自治体にも検証する計画はありません。国が責任をもって環境絵への影響を検証すべきであるが実施しないなら都や関係自治体が実施すべきであります。

7月30日に国交省が示した追加対策で、滑走路への進入角度が3度から3.5度に変えましたが騒音は変わりません。

世界の空港は3度の進入角度をとっているが、羽田空港だけは3.5度となり、世界で着陸が一番難しい空港となります。

都心低空にルートを取らなければ、円錐表面及び外側水平表面の変更は必要ありません。都心低空飛行ルートは撤回すべきです。

住民の意思を確認するためには、住民投票が重要です。住民の意思を確認せず、ただ増便あるのみでは、誰のための航空政策かが問われます。

また新飛行ルートは決まった、実施日を動かないとして進めることは止め、実施日の決定の撤回を求めます。

 

 

※あとはヨーロッパで進められている「鉄道の利用で温暖化ガスの低減」を入れようかと思っています。秋田


10月4日 吉田雅明さん

公 述 申 出 書

東京国際空港の指定した円錐表面及び外側水平表面の変更に関する公聴会において、意見を述べたいので申し出ます。

 

令和元年   月   日

首都圏空港課長 様

                            公述申し出人

                         住所 東京都豊島区             

              氏名  吉田 雅明(ヨシダ マサアキ)                        

       電話             

 

<意見の要旨>

    豊島区において建築物の高さ制限が行われ、私権の制限が行われるにも関わらず多くの区民がその事実を知らないまま公聴会が行われ決定されようとしていること

    この飛行ルートの計画そのものが、豊島区で行われた2回の教室型説明会において事故、騒音、落下物など不安や反対の声が満ちていたにも関わらず、実施が強行されようとしていること

    住宅地の上空を通らずに済む代替案が住民に示されず議論されずに決定され実施されようとしていること

以上からこの飛行ルートの計画に反対である

 

<理    由>

    豊島区のシンボルとしてサンシャインがあるが、日本一をアベノハルカスに奪われている。この制限ではアベノハルカスを凌ぐ建物は豊島区では実質建てられなくなる。

    自分の土地の高さ制限が変えられる事実を区民は知らない。知らないまま公聴会が行われ決定がされようとし、自らの財産権が侵されようとしている

    豊島区では教育施設も含め防音工事もされず、騒音にさらされることになる。

    落下物は、成田において部品欠落など、国交省の規定では落下物でないが、明らかに落下物は国交省の対策以降も存在している

    豊島区では事故時の避難対策など計画が策定されていない中での計画実施は許されない

    国土交通大臣が地元の理解が必要と述べ、地元とは住民と答える中で、未だ多くが不安と反対の声の住民を無視し実施することは許されない

    羽田や成田での代替え案は指摘されているのも関わらず住民に明らかにせず、検討も明らかにされていないのは許されない